webマーケティングとして、コンテンツを作成したり、LP(ランディングページ)を作成してリスティング広告を行ったりする際、自社サービスや商品の良いところ、おすすめポイントばかり並べたててはいませんか?
一方的な情報提供ばかりでは、訪れたユーザーは押し売りされていると感じ離れていってしまいます。
webマーケティングは「顧客志向」に重きを置いて行うことが大切となります。
今回は、webマーケティングとして、コンテンツマーケティングやweb広告を運用をする際に大切な「顧客志向」と、「顧客志向」においてポイントとなる「ペルソナ設定」についてご紹介していきます。
目次
webマーケティングにおける5つの顧客層
webマーケティングでは、顧客層を5つに分けて考えます。
- 潜在顧客層・・・商品やサービスについて何も知らない顧客層です。誰もが知っている商品やサービスでない限り、一番数の多い顧客層となります。
- 弱い見込顧客層・・・webやSNSなどで商品やサービスを知った顧客層です。知っているだけで関心を持っていない状態です。
- 強い見込顧客層・・・商品やサービスについて知っていて、きっかけさえあれば利用しようとしている顧客層です。一般顧客へ移行する1歩手前の段階と言えます。
- 一般顧客層・・・商品やサービスを利用・購入した顧客層です。
- リピーター顧客層・・・商品やサービスを利用して満足を感じ、リピーターになった状態の顧客層です。SNSなどを通じ能動的に口コミを広めてくれます。
まず、潜在顧客層から見込顧客層に段階をあげるきっかけとなる施策がリスティング広告などのweb広告です。
そして、見込顧客層を一般顧客やリピーター顧客にする施策として有効なのがコンテンツマーケティングです。
webサイトやブログ、SNSなどのメディアを通し、ユーザーにとって有益なコンテンツを届けることで、ユーザーは専門的な知識を持っている企業だと信頼を置くようになります。
そして、徐々に企業の商品やサービスに興味を持ち、利用したくなり、一般顧客・リピーター顧客へと階層が上がっていきます。
コンテンツマーケティングで顧客志向はなぜ重要か
コンテンツ作成をする際、自社サービスや商品のおすすめ、お客様の声をアピールする場だと考える方が多いですが、それではユーザーは宣伝として捉えてしまい離れていきます。
そこで、コンテンツ作成で大切なのが「顧客志向」です。
売り込み記事ではなく、訪れたユーザーにとって必要な情報、知りたがっている情報を提供することで信頼が生まれ、情報提供している企業が勧めているサービスや商品を利用してみようと思うのです。
例えば、保険を販売している企業が、自社で販売している保険の良いところばかり書いたブログ記事と、各社の保険についてわかりやすく特徴やメリットをまとめた記事はどちらが読みたくなるでしょうか?
潜在顧客層や弱い見込顧客層のユーザーの場合、後者の方が知識を得られるため興味をもつと思います。
また、保険販売企業のような保険の専門家が、保険の知識などをまとめたブログ記事を作成しておくことで、ユーザーは保険の専門家だから記事にも信頼性があると思い、さらに良い印象を持ちます。
webやSNSには情報が溢れかえっていますので、ユーザーはその中でも正確な情報を知りたいと思っています。
専門家が専門知識を紹介するブログ記事は、ユーザーにとってとても価値のある情報であり、信頼されるというわけです。
信頼を得たユーザーには、その商品・サービスでなければならない理由を伝える
ユーザーからの信頼を得たとしても、自社の商品・サービスについての内容があからさまな売り込みでは利用してもらえません。
そこで、信頼を得たユーザー向けに、自社独自の強みについて「情報提供」するようにしましょう。
あくまでも売り込みではなく、情報提供をすることを意識することが大切です。
自社の商品やサービスについて他社にはない魅力や強みについて「情報提供」することで、この商品・サービスではなければならない理由を伝えることができます。
世の中には似たような商品やサービスが沢山あります。
その中で自社の商品サービスを利用してもらうには、信頼だけではなく自社独自の強みを打ち出すことで、ユーザーの背中をそっと押す必要があります。
顧客志向をスムーズに展開できる「ペルソナ設定」
「ペルソナ」をご存知でしょうか。
ペルソナとは、ターゲットをより詳細に深堀して作成する具体的な人物像のことで、名前・年齢・性別・職業・ライフスタイルなどを細かく設定します。
顧客志向が重要なwebマーケティングでは、ペルソナ設定がコンテンツや広告の方向性をスムーズに決められるかどうかのポイントになります。
なぜペルソナ設定が必要なのか
それでは、なぜペルソナ設定が必要なのでしょうか?
例えば、web広告(リスティングやディスプレイ広告など)やSNS広告などで、毎日広告を目にしていると思いますが、覚えている広告はいくつあるでしょうか?
ほどんどの人が覚えている広告はないと思います。
大半の人が多くの広告を目にしているにも関わらず、どんな広告をみたのかを覚えていないのです。
ほとんどの広告は、目では見ていても記憶に残っていないということです。
そのため、webマーケティングを行う側に立った場合、「自分ごと」と思ってもらえる広告やwebサイトを作ることがとても重要となります。
キャッチコピーやバナー広告、広告文の中で「これは私のことを言っているのかな…?」というようなものは、流れていかずに目に留まります。
ペルソナを設定し、そのペルソナが自分に関係のあることだと思うような広告、webサイトを作ることで、ペルソナに近い属性のユーザーにとって記憶に残る可能性が高くなるのです。
同じダイエットをしている人というターゲットでも刺さる広告は違う!
例えば、ダイエットをしている女性をターゲットとしている商品があった場合に、同じダイエットをしている女性であっても求めている方法は異なることがあります。
- 食事制限でダイエットをしようとしている女性
- 運動でダイエットをしようとしている女性
さらに、食事制限をしてダイエットをしたい女性の中でも、糖質制限でダイエットなのか、オートミールでダイエットなのか、甘いものを制限したいダイエットなのか、細分化していくとさまざまなダイエット方法があるため、それぞれ刺さる商品は異なります。
ターゲットを決めるだけでは、広告文も定まりませんし、商品自体が刺さるかどうかも分かりませんが、少しずつ深堀してペルソナを作成することで、どんな人に合った商品・サービスなのかを具体化させることができます。
また、ペルソナを設定することで、どんな行動でどんな心理状態なのかを想像することも可能となります。
ペルソナと設定した人物が、この時間にこのような行動をとって、こんな心理状態の時に、広告を見たりwebサイトへ訪れるだろうと仮定し、その場合に刺さるキャッチコピーを用意しておくことで、ユーザーは自分ごとと捉えてアクションを起こしてくれます。
ペルソナ設定のポイント
ペルソナは商品・サービスに対し、理想的な人物像です。
ペルソナ作成では下記の項目を設定していきます。
- デモグラフィック特性: 性別、年齢、住んでいる場所、学歴、収入、家族構成、職業
- サイコグラフィック特性:ライフスタイル、性格(考え方、意見など)、価値観(目標、趣味)など
ペルソナは、市場調査、アンケート調査、SNSやブログなどから情報収集を行ったり、または実際にターゲットに近い顧客に接する機会のある社内メンバーからのヒアリングなどをして検討していきます。
得られる情報を一人の人物像に落とし込むのは大変ですが、情報を取捨選択してペルソナに設定していきます。
リサーチ、ヒアリングで得られる情報が多ければ多いほど、自分の思い込みなどは排除され、ペルソナの質は上がっていきます。
ペルソナに向けたコンテンツが多くの人に刺さる
商品やサービスを多くの人に利用してもらいたい思いから広告やwebサイトを万人受けの内容にしてしまうと、印象は薄くなり、結局誰にも刺さらないものになってしまいます。
徹底的にペルソナ作成を行い、どんな広告を作るべきか、どんなキャッチコピーにするべきか、webコンテンツは何を作成すべきかなどの方向性を見出しましょう。
結果として、たったひとりのペルソナに向けた広告が、似た属性の人にも共感を得て、結果的に多くの人に商品やサービスを利用してもらうことができるようになります。
webマーケティングをこれから始める人、または始めてはいるが効果がなかなかでない人は、「顧客志向」のコンテンツを展開できているか、「ペルソナ」は質の高いものを設定できているかを確認してみましょう。