SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)利用者の増加とともに活発化する、SNSマーケティング。
総務省が発表した調査によりますと、令和3年度のSNS利用率(個人)は、78.7%に達したということです(※1)。
また、株式会社サイバー・バズらが実施した市場調査においては、SNSマーケティング市場規模は右肩上がりで伸び続け(令和4年度は9,317億円)、今後も拡大傾向にあると予想されています(※2)。
※1『令和3年通信利用動向調査ポイント』参照。
※2『【市場動向調査】2023年のソーシャルメディアマーケティング市場は1兆899億円、前年比117%の見通し。2027年には2023年比約1.7倍、1兆8,868億円に』参照。
うまくいけば、会社に大きな利益をもたらすことは容易に想像できるものの、「やり方がよく分からない」と、頭を悩ましているマーケティング担当者も多いのではないでしょうか。
SNSマーケティングを成功させるには、準備から実施・検証までのサイクルを回せるように体制を整えることが一番です。
そこで本記事では、SNSマーケティングのやり方について、6つの手順に分けてご紹介します。
目次
手順①:SNSマーケティングの目的を明確にする
SNSマーケティングで最初にするのは、「SNSマーケティングを通じて達成したいことは何か」を明らかにすることです。
企業にとって究極のゴールは「利益を得ること」ですが、なぜSNSマーケティングを使って達成するのがベストなのでしょうか。その「なぜ」が、SNSマーケティング実施の目的です。
ここを曖昧にしてしまうと、何のためにSNSを使ったマーケティングをしているのかが不透明になり、作業効率が落ちてしまうおそれが考えられます。
SNSマーケティングの目的を明確にする際は、ゴール達成に向けたSNSマーケティングの妥当性にスポットを当てるとうまくいくでしょう。
SNSを使ったマーケティングは、従来の「売る」営業よりも、顧客との関係構築を重視するソーシャルセールスと相性が合います。
つまり、ゴールに向いているのは、
- 新たな客層を発掘する
- 自社のブランドを構築する
- 提供するサービスや商品の認知度を上げる
- ファンを育成する
などです。
SNSマーケティングの目的が明らかになると、マーケティング担当者は、マーケティングを実践する理由を深く理解できるようになるでしょう。この腹落ち感が、マーケティング実践の原動力につながります。
手順②:マーケティングの対象となるSNSユーザー像を描く
SNSマーケティングでゴールを設定したら、「誰に対してマーケティングを実施するか」を決めます。
"誰"を絞り込んでしまうと、会社に興味を持ってくれる人が少なくなると考えるかもしれません。しかし、万人受けを目指すと絞り込んだアプローチが難しくなり、結局誰の心にも響かないような中途半端なマーケティングに終わってしまいます。
例えば、ファンを育成することをSNSマーケティングのゴールとした場合、
「あなたの会社に好印象を持っている人」と、「あなたの会社を知らないけれど、将来ファンになってくれそうな人」とでは、アプローチの仕方は異なるでしょう。
理想のお客さんをイメージする際によく使われているのが、「ペルソナ」と呼ばれている方法です。
ペルソナを設定することで、ターゲットがどのように考えて行動するかをイメージしやすくなり、その結果、適切なアプローチ方法を選択しやすくなります。
ペルソナの作成方法について特別な決まりはありませんが、以下のような項目からお客さん像を設定しましょう。
・年齢
・性別
・職業
・家族構成
・居住地
・趣味
・性格
・価値観 など
1つ注意したいのは、現実とかけ離れたキャラクターにしない点です。
理想のお客さん=自社の理想にしてしまうと、独りよがりなキャラクターとなるおそれがあります。
顧客や周囲にいる人をモデルに、できるだけ現実に即したイメージを描くことが大切です。
手順③:SNSマーケティングの目的に合った媒体を選ぶ
SNSマーケティングの目的に合わせた媒体選びは、SNSマーケティングを成功させるうえで重要な作業です。なぜなら、SNSによってその特徴やユーザーの傾向は異なるからです。
「複数のSNSを利用すればいい」と考えるかもしれません。けれども、限られた時間とリソースの中でSNSマーケティングに取り組む場合は、あれこれ手をつけるよりも目的に適った媒体を選んだ方がよいでしょう。
大手SNSには、以下のものがあります。
・Twitter
・Facebook
・Instagram
・LINE
・YouTube
各SNSの特徴とユーザーの年齢層などについて、以下のように一覧にまとめました。
国内の アクティブユーザー数 |
アクティブユーザーの 多い年齢層 |
特徴 | |
5,895万人 (2022年1月時点) |
10~20代 | キャンペーンなどリアルタイムの情報を伝えやすい | |
2,600万人 (2019年7月時点) |
30~50代 | 本名でつながることができる。企業文化や活動を伝えるのに向いている | |
4,610万人 (2022年1月時点) |
10代~20代 | 男女比では女性ユーザーの方が多い。画像をメインに文字や動画で視覚的に訴えられる | |
LINE | 9,300万人 (2022年9月時点) |
幅広い年齢層 | メッセージ機能やステップ配信機能など、メルマガに近い機能を持つ |
YouTube | 7,000万人 (2022年10月時点) |
30~50代 | 使い方の説明やインタビューの様子といった情報を、画像や文字のほか、音や動作を取り入れて伝えられる |
手順④: 選択したSNSで達成する目標(KPI)を設定する
使用する媒体を決めたら、その媒体を使って得たい目標を設定します。ここで設定するのは、手順①で決めたゴールを達成するための目標(KPI)です。
目標は、できるだけ具体的にしましょう。その方が、SNSマーケティングの実践結果を振り返り、達成できたかどうかを判断しやすいからです。
例えば、「新たな客層を発掘する」という目的のために、TwitterをSNSマーケティングに利用する場合、
- 月末までにフォロワーを1,000人増やす
- TwitterのDM経由で問い合わせを20件受ける
などが目標として設定できるでしょう。
KPIには、定量的なものと定性的なものとがあり、設定しやすいのは前者です。
ユーザーの感情など定性的なものをKPIに設定する場合は、例えば「自社のツイートに対して『いいね』が10個以上つく」など、できるだけ数字に置き換えるようにしましょう。
手順⑤:SNSマーケティング実践におけるTODOリストを作成する
KPIを設定したら、KPIの達成に向けてTODOリストを作ります。
具体的には、
- 1日○回ツイートする
- 1日○人フォロワーを増やす
- コメントされたら返信する
- その日の閲覧数やフォロワー数、エンゲージメント数などを確認する
などが、TODOリストに挙げられるでしょう。
TODOリストを作成する際は、
- 実践可能なものにする
- KPIの達成につながる可能性のあるものにする
- そのSNSが規定している利用規約に反しない
といった点に留意します。
また、専任チームの設置など、TODOリストを着実に実践するための体制を整えておくことも忘れないようにしましょう。
手順⑥:データを収集・分析し改善点を見つける
SNSのアカウントを作成した後は、TODOリストにそって実践することが、SNSマーケティングの主な作業になっていくでしょう。
毎日実践すると、実践結果のデータが増えていきます。
定期的にデータを振り返り、KPIを達成できているかどうか確認しましょう。
達成できていれば問題ありませんが、そうでない場合は収集したデータを分析し何が原因かを見つける必要があります。
TODOの結果であるのなら、TODOの内容を見直しましょう。ライバル会社の動向など要因が外部にある場合は、対策を考えます。
このように、
- 仮説を立てて実践する
- 実践結果を振り返り、改善点があれば修正する
- 再び実践する
を繰り返し仮説の精度を高めながら、ゴールに近づいていきます。
まとめ
SNSマーケティングのやり方についてご紹介しました。
ご紹介したやり方の流れは、以下のとおりです。
- SNSマーケティングの目的を明確にする
- マーケティングの対象となるSNSユーザー像を描く
- SNSマーケティングの目的に合った媒体を選ぶ
- 選択したSNSで達成する目標(KPI)を設定する
- SNSマーケティング実践におけるTODOリストを作成する
- データを収集・分析し改善点を見つける
マーケティングの実践では、予想外の出来事が多く発生します。
うまくいかないことが起きたらそのままにせず、多角的な視点から現状を分析し、軌道修正しながら着実に作業を進めていくことが大切です。
手順を一つひとつていねいに取組み、効果的なSNSマーケティングの実践につなげていきましょう。
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