こんにちは!平成31年と令和元年の500円玉を集めているプランナーのタケっちです。
令和2年。2020年。2回目の東京オリンピックです。
それだけといえばそれまでですが、“2”づくしです。2…何も浮かびませんので、とりあえず2月22日は皆さまにとって良い日であることを祈っておきます(2月17日現在)。2020年。ようやく21世紀が来たような未来的な感じもします。
21世紀には空を飛ぶはずだった車はもうすぐ飛びそうです。一方、チューブの中を列車が音速で走る予定でしたが、それはまだ先のようです。今や未来感溢れるスーパーキッズ、スーパーティーンズもいます。一方うちの子供は幸いフツーでした。
…そういえば90年代初頭にアメリカ発で提唱され、日本では2000年前後から動きが本格化した“ブランディング”。私個人においては98年がブランディング元年です。とすると今年で22年です!…イイネ。いい感じです。
目次
全ての企業イメージを一瞬で想起させるトリガー、「企業ロゴ」。
ところで前回、社名を聞いてもピンとこなかったのに、ロゴをみたら一瞬で企業イメージを想い起こし、改めて企業ロゴの重要さを感じたことを書きました。今回はその企業ロゴについて記事にしたいと思います。ロゴは深いので何回かに分けます。
これまで記事で書いてきた通り、ビジュアルアイデンティティ(VI)はビジュアルコミュニケーションのプラットフォーム、企業ロゴはその核になるものです。
企業ロゴはその企業に関する記憶や体験、一つ一つに焼き印されている。
昔から“ロゴ”は牛に入れた焼き印が起源だと言われています。日本人にとって機能的には要するに判子です。
しかしその判子、単純に署名・シグネチュアとしての機能だけではありません。製品や名刺といったモノに限らず、サービス、メンバーの行動、そのメンバーが属する組織、発信するメッセージ、そしてカルチャー…全てに押印されているからです。
どこに押されているか。全てのステークホルダーが持つ記憶や体験一つ一つに焼き印のように押されています。それらの総体がイメージという無形の“財産”です。このイメージを積極的に創っていこうというのがブランディングです。そして目指す未来のブランドイメージの指針、それがブランドアイデンティティです。
つまりブランディングとは過去から現在に至る集大成ではありません。
未来の理想とするブランドイメージを創造する取り組みです。だからCIにおいては将来的にどのような企業でありたいのか根掘り葉掘りヒアリングする、場合により新たなコンセプトを創り出すことも行うわけです。
最近、ブランディングとは過去から現在までの事象だとの論も散見しますので、再度申しておきます。ブランディング、及びバブル期を頂点に70年代から盛んに取り組まれてきたCI計画とは、企業の未来に向けた創造的な取り組みです。そういう意味で新規性はありません。昔から意識的・無意識的に取り組まれてきたことを構造化・概念化した普遍的なものです。
企業ロゴは地上の花。CI計画・コーポレートブランディングは農業・農作。しっかり手を掛けながら地中にある実を育てていく。
さてそのロゴ、ここではとりわけ企業ロゴについてですが、人は企業ロゴを見た瞬間にその企業に伴う知識、体験が一気に想い起こされます。
私はそれをよく芋の“花”と地中の“実”に喩えます。家庭菜園が浸透した中、ご存知の方は多いでしょうが芋の花は意外とキレイなんです。ジャガイモは白くとても可憐です。紫芋の花は薄紫の朝顔のような花を咲かせます。
その地上に見えているキレイな花をロゴとします。そして地中には、その花と根っこでしっかりつながれた実(芋ですけどね…)がたくさんあります。
その一つ一つの地中の実が、企業ブランドにまつわる知識や体験によるものです。
前述の“一気に想い起こされる”というのは、その花を目印にして一気に芋づる式に全ての実が引き出される、そんな状態。
ロゴが重要というのは、芋の花と実のように、全てのブランド知識や体験がロゴに結びついているからです。
で、ブランディングとはこの実を美味しくしっかりと太らせ、たくさん作り出す。そんな取り組みです。この美味しい“実”の総体がコーポレート・ブランドイメージというわけです。
考えてみれば農業、農作みたいですね。…そうかもしれない。企業ブランドとはちゃんと手を掛けながら育てていくもの。自分で納得してしまいました。
企業ロゴは、記憶された企業ブランドの知識・体験を一気に引き出し追体験する目印。そして企業ブランドを健やかに育てる鍵。
顧客においては企業が展開する様々なコミュニケーションにより、企業に関する多くの知識・体験を積み重ねていきます。その時、情報を整理するための目印になっているのが象徴である企業ロゴです。企業ロゴを手掛かりに、得た知識・体験を企業毎に分類し記憶します。
そして企業ロゴを目にした時、記憶に蓄積された知識・体験が、一瞬に再生されます。
先般の私の経験で「社名を聞いてもピンとこなかったのに、ロゴをみたら一瞬で企業イメージを想い起こした」というのはこの事です。会社名称の言葉までだとこうはいきません。視覚から得る情報というのは非常に影響力が大きいです。
VIの構築がしっかりしていると、知識・体験の蓄積~再生がうまくいき、地中にある“コミュニケーションの実”が健やかに美味しく大きく育ちます。
そして地上の花「企業ロゴ」を見た時は、“芋づる式”に地中の実が一気に引き出されることが理想です。
このVIの構築がしっかりしていないと、花と実をつないでいる根が弱いということになります。途中で切れていたり…。
ロゴ表示・展開に関するレギュレーションをしっかり定め、統合的に一貫してVIを運用することが大事です。
面倒なのは顧客において、一つの花に実が紐づいていない場合です。無計画にロゴの亜種が複数ある状態だと、コミュニケーション毎に違う企業とみなされたり、ふと疑問に思われた途端その人には記憶されなくなります。コミュニケーションにかかるコストが単純に2倍3倍になったり、大きなコストをかけてコミュニケーションを実施しても顧客の記憶から漏れることになります。
まずキレイで認識される花であること、VIをしっかり整備・構築し、VIに則ってロゴを適切に表示すること、より良い効果的なコミュニケーションを常に実施していくこと。これらにより、企業ブランドが健全に育っていきます。
コーポレートアイデンティティを体現する企業ロゴ。その企業ロゴを選ぶ時のポイント。
企業ロゴはコーポレートアイデンティティを体現したものです。
当たり前ですが、デザインが持つ意味として企業理念やビジョンを表現していなくてはなりません。
私はその企業ロゴを大きく2タイプに分けています。
トヨタのようにシンボルマークに意味を凝縮した「シンボルロゴ」、SONYのように文字をベースにロゴをデザインした「テキストロゴ」。
そしてこれら2タイプの発展型が数種。それぞれ特長や優位性があります。
基本デザイン案を選考する際には選考基準を設け、優先的に満たすべきクライテリアを決めてデザイン案を絞り込みます。参考までに選考基準例を以下に掲載しておきます。
決まった案は精緻化します。デザイナーの経験と技術、職人性が問われる「造形品質」が何より重要です。
ブラッシュアップのレベルですが、以下選考基準の「永続性」と「審美性」に影響し、ブランディングにおける知覚品質に関わります。専門性が高い作業で、ロゴの値段で一般には理解され難い大きな開きが出てくる理由の一つです。
これらについては次回以降、詳細な記事にします。
■企業ロゴの選考基準
【比較的オーナー視点からの基準】
- 独自性 特に競合他社や著名企業と類似せず、すぐに識別できる。
- 永続性 長期にわたり飽きない。馴染み愛着になる。
- 汎用性・展開性 各アイテムへの展開しやすさ
- メジャー感 規模感、一流の印象
【各ステークホルダー、顧客視点中心の基準】
- 事業適合性 事業イメージに合致、事業内容を想起できる
- 視覚的記憶性 視覚的に記憶しやすい
- 可読性 可読性が高いと記憶されやすい
- 新規性 新鮮味やインパクト、時流における先端感
- 審美性 心地よさ、美しさ
ちなみに余談ですが、企業ロゴデザインの見積もりに開きがあるのは、まずクライアント様のロゴ開発に関わる人の規模。様々な意見が噴出しますから。
で、それに対応したデザイン案の数量・規模や、ご納得いただくため作成する資料。複数の方々に納得してもらうには相応の労力と作業、日数がかかります。ここまでは皆様の業務でも馴染みがあり想像しやすいと思います。
わかりにくいのは上記のブラッシュアップレベル。大企業では相当の日数・手数をかけて慎重に作業しています。長きにわたり使用され、大勢の目に触れますからその作業にあたるデザイナーの責任も重いのです。特に昔、手描きだった頃はほぼ精緻化専門のデザイナーもいたでしょう。多くの人々に長く親しまれ愛用されるよう、デザイナーは真剣に取り組みます。この作業を重視するデザイナーは信頼していいです。
ブランドはロゴのことではない。そのロゴに結びついている事、全て。
ここまで読むと、CI計画・コーポレートブランディングをやるとなった場合「ロゴ作ればOK!」と考えがちになる理由がわかるのではないでしょうか?
ロゴを作ってもそれは地上の花までなんです。ブランディングはロゴの背景にある全てであり、ロゴに結びついている実を健全に育てることです。 CI計画・コーポレートブランディングは企業ロゴを作ることでもなく、広告・宣伝活動だけでもないし、PR活動だけでもありません。全部です。
そりゃぁ、一気に全部やるとなるとお金がかかる。時間もかかる。すぐに企業ブランドは創られません。なので計画的に、随時注力する部分を見極め、農作のように絶えず育成していくことです。「CIを導入すれば、簡単に有名になって売上上がるよ!」とか、「クールなロゴデザイン作れればブランディングOK!」とか、軽く言う人がいたら気をつけてください。
ただし“ビジネスモデルや事業は社会に役立ち素晴らしいのに、売上に結びついていない、有名になれず市場に浸透していない”などは別です。市場において実体よりもマイナス分が大きい場合、一気にブランドイメージが健全になって浸透し、売り上げに結びつくことはあります。でもそれはブランドコンサルやCIコンサルが有能だからではありません。その企業の実体が素晴らしいからです。
「企業ロゴについてもっと詳しく知りたい」「自社の課題を抽出してほしい」、その他「芋掘りを体験させてあげる」という親切な方がいらっしゃいましたら、ぜひお気軽にご連絡を。
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