こんにちは。
前回は、働き方改革とDX(デジタルトランスフォーメーション)推進について考えてみました。
働き方改革とDX推進の背景に共通するのは人口減少への危機感です。では、人口減少に伴って、なぜRPAが注目を集めるのか? について今回は深掘りしてみたいと思います。
生産年齢人口の減少
日本の総人口は2008年から減少に転じており、2050年には1億人を割り込むとも言われています。企業の視点で見ると、総人口の減少に応じた生産年齢人口(15~64歳)の減少が労働力不足に直結します。どれくらい減るかというと、2017年と比べて2040年には約21.3%、2065年には約40.4%減少すると試算されています。
人口の減少とあわせて、『総数に占める生産年齢人口の割合』から少子高齢化が進むことも上の図から読み取ることができます。介護休業者が増えることも考えられますので、優秀な人材の採用がますます難しくなる未来が予想されます。
RPAが注目を集めるワケ
生産年齢人口が“2017年と比べて2040年には約21.3%減少する”ということは、単純に考えると、今のところ10人でやっている仕事をゆくゆくは8人でやらないといけない、ということですね。
対応策としては以下の4つが考えられます。
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選択肢 |
方法 |
1 |
アウトソーシングする |
既存業務を切り分けて、外部発注します。 |
2 |
スキルアップする |
教育投資を増やし、個々人のスキルアップを図ります。 |
3 |
業務を自動化する |
最適なITツールを駆使して、業務を自動化・省力化します。 |
4 |
やめてしまう |
無駄と判断できる業務が行われているようであれば、思い切って「やめる」という選択肢もあります。 |
RPAが注目を集めるのは、この『3.業務を自動化する』にマッチするからです。
RPAはプログラミング知識を必要とせずPC上の作業を自動化することができますので、簡単に業務の自動化への着手が可能です。
SaaSの普及を追い風に、勤怠/経費管理、顧客管理/営業支援などさまざまなクラウドサービスを利用することができるようになった一方、まだまだ自社のオリジナルシステムと併用しなければならない状況の中で、RPAの活躍の場はますます広がっています。
デジタルレイバーを採用するという選択肢
生産年齢人口が減り、人材採用がますます難しくなることが予想される中、注目が集まっているのがデジタルレイバー(Digital Labor)です。日本語で書くと「仮想知的労働者」ですね。人の代わりに単純なデジタル処理を行うロボットを擬人化した考え方です。RPAソフトを導入することを指して、デジタルレイバーを採用する、なんて言い換えることも可能です。
デジタルレイバーは、入社してしばらくはなかなか役に立ってくれません。これは「人」を採用した場合でも同じですね。やっぱり教育が必要です。「この業務はこういう風にやるんだよ」とお手本を見せてあげて、それを覚えさせます。
では、人を採用する場合と、デジタルレイバーを採用する場合の比較を下表にまとめます。
人の採用 | デジタルレイバーの採用 | |
面接 | 必要 | 不要 |
人件費 | 高い | 安い |
教育 | 必要 | 必要 |
仕事内容 | 考える仕事 | 単純作業の繰り返し |
業務時間 | 法定労働時間 | 24時間いつでも |
業務速度 | 人知を超えない範囲 | 超高速 |
ケアレスミス | 疲れるとミスしやすい | 疲れ知らずでミスをしない |
もちろんデジタルレイバーの採用ですべての業務が自動化できるわけではありませんので、人を採用するメリット・デメリットを勘案し、業務に見合った採用活動を行うことが必要となります。業務を切り分けて人とデジタルレイバーが共存できる職場づくりが求められるようになりますね。
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