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「反社チェック」とは?概要と5つのチェック方法を紹介

2023.02.16 木

近年、新聞記事やニュースで「企業のコンプライアンス違反」を目にする機会が増えています。

企業がコンプライアンスを守るためにやるべきことはさまざまあり、そのひとつに「反社チェック」があります。

しかし「そもそも反社チェックとは何なのか」「反社チェックの範囲はどこまでなのか」と悩みを抱えている企業も多いのではないでしょうか?

この記事では「反社チェックとは何か」「反社チェックの正しい方法」などをわかりやすく解説します。ぜひ最後までお読みください。

反社チェックとは

反社チェックとは「反社会的勢力との関係が疑われる人物・組織との契約や取引を防ぐための作業」を指します。

2007年に政府は「企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針」を発表し、その中で「反社会的勢力による被害を防止するための基本原則」として以下5つの原則が明記されています。

  • 組織としての対応
  • 外部専門機関との連携
  • 取引を含めた一切の関係遮断
  • 有事における民事と刑事の法的対応
  • 裏取引や資金提供の禁止

引用元:法務省|企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針

 

被害を防止するために、上記のような対応をとることが大切という内容になっています。

 

これら対応をとるためには「繋がっている人物・組織が反社ではないのか」ということを明確にしないといけません。そのために反社チェックが必要不可欠となるのです。

 

どこまでが反社といえるか

どこまでが反社と言えるか

反社会勢力との関係を断つにあたって「どのような人物・組織が反社といえるのか」を明らかにしておく必要があります。

では、反社と呼べるのはどのような人物・組織なのでしょうか。

 

まず、法務省が出している「企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針」では、反社について以下のような記載があります。

暴力団、暴力団関係企業、総会屋、社会運動標ぼうゴロ、政治活動標ぼうゴロ、特殊知能暴力集団等といった属性要件

暴力的な要求行為、法的な責任を超えた不当な要求といった行為要件

引用元:法務省|企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針

 

さらに、東京都が定める「東京都暴力団排除条例」のQ&Aを見ると、「暴力団関係者」について以下のような言及があります。

条例において「暴力団関係者」は、「暴力団員又は暴力団若しくは暴力団員と密接な関係を有する者」と規定されており(第2条第4号)、「暴力団若しくは暴力団員と密接な関係を有する者」とは、
例えば、

  • 暴力団又は暴力団員が実質的に経営を支配する法人等に所属する者
  • 暴力団員を雇用している者
  • 暴力団又は暴力団員を不当に利用していると認められる者
  • 暴力団の維持、運営に協力し、又は関与していると認められる者
  • 暴力団又は暴力団員と社会的に非難されるべき関係を有していると認められる者(Q7を参照)

等が挙げられます。

引用元:警視庁|東京都暴力団排除条例 Q&A

 

これらの記載からわかる通り、単にそのような組織に所属しているだけでなく、協力や関与をするなどして組織に属さずともその集団と関係を持っているものも反社とみなされます。

 

反社であるかないかを見極める際には、「属していなくとも関わりを持っていないか」という点にまで目を向ける必要があります。

 

反社チェックが必要な理由

反社チェックはなぜ必要なのか

企業のコンプライアンスを保つことがひとつの目的と紹介しましたが、反社チェックの役割はそれだけではありません。こちらでは反社チェックが必要な理由を4つご紹介します。

 

コンプライアンス維持のため

反社チェックは、企業のコンプライアンス維持のために非常に重要です。

 

反社と関係を持っていては、健全な経営を維持できません。

政府や自治体は、反社との関係遮断に向けて指針や条例を公表しています。

なお2023年1月現在、日本の47都道府県全てで暴力団排除のための条例が定められています。

 

このように、社会全体で反社を排除しようという動きがあるため、適切な反社チェックを実施しない企業は社会的責任を果たしていないとみなされる可能性があります。

 

企業価値を保つため

前提として、企業には利益の追求だけでなく社会的責任を果たすことも求められています。

したがって、万が一企業が反社との取引があると「コンプライアンス違反企業」とされ、厳しい対応をとられるでしょう。

 

過去には反社との関わりを疑われた後、上場廃止となった企業も存在します。

 

この他にも、銀行からの融資をストップされることや取引先との契約や関係が絶たれてしまうことも考えられ、企業価値を保てずに存続の危機に陥る可能性があります。

 

反社の資金源とならないため

反社チェックを実施することで、反社の資金源を断つことに大きく貢献します。

 

どのような組織でも、資金源がなければ活動は行えません。

反社も、入ってくる資金があることから活動を行えます。そのため、企業が正しい反社チェックを実施して資金源を断たなければなりません。

 

適切に反社チェックを行うことは、反社から自らを守ることに加え、反社への大きな攻撃にもなっているのです。

 

反社から不当な要求を受けないため

反社は、一度関係が繋がってしまうとその関係を解消するのが難しいです。

関係を断とうとすると反社から「取引したことを世間に公表する」と脅迫されて、不当な要求をされることが考えられます。

また、不当な請求は金銭だけではなく、企業の機密情報や個人情報を要求されることもあります。

 

会社のヒト・モノ・カネを守るため、反社と関わらないことは非常に重要なのです。

 

【5選】反社チェックの方法

反社チェックの方法

反社チェックをどのように進めたらよいかわからないと不安を抱える企業も多いでしょう。

反社チェックを正しく理解し、取引先の健全度を測っておくと安心です。

 

ここでは、代表的な5つのチェック方法をご紹介します。

 

1.企業情報を確認する

1つ目は企業情報を確認することです。

企業情報は国税庁の「法人番号公表サイト」から検索できる法人登記で確認しましょう。

 

法人番号公表サイトでは商号、本店所在地や主要事業所の所在地から、法人番号を検索できます。

法人番号がない取引先や、短期間で商号や本社所在地を変更している企業は注意した方が賢明でしょう。

 

2.Google検索などインターネットで調べる

自社で簡単にできる反社チェック方法は、GoogleやYahooなどといったインターネット検索エンジンで検索する方法です。

国税庁サイトでの企業情報確認と異なり、取引先の「商号」や「代表者」などで検索することで、過去に問題を起こしてニュースに取り上げられていないかなどが確認できます。

 

しかし、検索件数が多いと確認作業に多大な時間が発生することがあるため、この作業にはある程度の経験や仕組み化が必要となります。

 

3.新聞記事のデータベースを検索する

反社チェックの方法として、新聞記事検索が多くの企業で実施されています。

 

この方法は、新聞記事データベースサービスを用いて、取引先の「商号」「代表者名」などと「事故」「逮捕」などのネガティブキーワードを一緒に検索する方法です。

 

全国紙や地方紙を手軽に一括検索できる点が大きなメリットとなりますが、インターネット検索と同様、確認作業に時間がかかるというデメリットがあります。

 

4.反社会的勢力情報データベースを検索する

新聞記事のデータベースと別に、企業が管理しているデータベースで検索することも反社チェックの方法として選ばれます。

 

反社チェックをサポートしている企業が独自で管理・提供しているデータベースがあり、そのデータベースではインターネットや新聞記事に掲載されていないような情報を検索できる場合もあるのです。

 

ただし、データベース提供企業の信頼性を見極めて利用する必要があります。

 

5.反社チェックに使えるツールを活用する

そして最後が、反社チェックツールを活用し、効率的に調査する方法です。

反社チェックツールとは「反社チェックを代行するツールやサービス」のことを指します。

 

反社チェックに特化したツール・サービスをリリースしている企業があり、それらを利用すると単純にチェックを行えるだけでなく、過去のデータとの比較ができたり、状況変動があった際に通知をもらったりできます。

データベースなどからデータを集めた後に自らの手で行う必要がある作業を、ツール内の機能で処理できるイメージです。

 

人間が一つひとつ反社チェックをする場合、どうしても時間がとられてしまうでしょう。そのような手間や無駄な時間を省いてくれるのがツールなのです。

 

ツールを導入して迅速に反社チェックを行おう|RPAで反社チェックを行うならタクトシステムへ

反社チェックは、コンプライアンスを遵守し、企業価値を存続させるために必須な業務です。

インターネットなどで検索をして調査するシンプルな繰り返し作業ではありますが、一定の時間がとられてしまうことが大きな問題となります。

 

業務自動化ツールの「RPA」は、人の手で行う作業を自動化して代わりに行ってくれます。

例えば反社チェックの際に手作業でインターネット検索や新聞記事データベースの調査を行っていた場合、その業務をRPAに任せることが可能です。

 

RPAは、反社チェックのような繰り返し作業を自動化することに長けている業務自動化ツールであるため、反社チェックの効率化に大きな効果が期待できるでしょう。

しかし「導入方法がわからない」という企業が多いのではないでしょうか。

 

タクトシステム株式会社では、「SynchRoid」をはじめとしたRPAの提供はもちろん、RPA導入支援サービス「ハカドリRPA」を提供しており、ユーザーのRPA導入・導入後の活用をサポートします。

「反社チェックのためにRPAを使いたい」という方は、タクトシステムまでぜひご相談ください。

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