現代の中小企業にとって、業務効率化は必須です。
人手不足の解消や生産性向上のため、業務の見直しを迫られています。
しかし業務の効率化を検討した時、「本当にできるだろうか?」「やりたいけれど、何をどうすればいいのかわからない」とお悩みではないでしょうか。
そこでこの記事では、中小企業における業務効率化のメリットや、具体的な方法を紹介します。
ぜひ最後までお読みいただき、業務効率化を進めるヒントとしてください。
目次
中小企業における業務効率化のメリット4つ
大企業でも働き手の確保に苦労している現代において、中小企業はますます労働力の確保が困難です。
日本商工会議所が、2022年7月から8月にかけて全国の中小企業を対象に行った調査によると、「『人手が不足している』と回答した企業が6割を超えた」という結果が出ています。
(参照元:NHK|中小企業の6割超「人手不足」と回答 経済活動再開に伴って)
人手が足りていない今中小企業に求められるのが、「業務効率化」です。
ではそもそも、中小企業で業務効率化を進めるメリットとは何なのでしょうか。
実は、中小企業だからこそ得られる大きなメリットがあるのです。
メリット1:経営のスピード感が高まる
大企業に比べ中小企業は従業員や管理職の人数が少ないことから、情報伝達ならびに意思決定のスピードが速い傾向にあります。
そのため、業務効率化に力を入れることで、より意思決定が速くなり、経営のスピード感が高まるという利点があるのです。
例えば、大企業で新しいシステムを導入したくても、何人もの承認が必要になり、実現までに時間がかかることも少なくないでしょう。
中小企業で業務効率化に取り組めば、「業務遂行スピードが速くなる→情報の伝達ペースも速まる→意思決定のPDCAサイクルがより速く回せる」という流れで、経営のスピード感がより一層高められるのです。
メリット2:コスト削減につながる
大企業と比べて、中小企業が資金や資源を豊富に持っていることは多くないでしょう。
中小企業は、限りある資金を有効に使いながら、売上を伸ばさなければなりません。
そのためには、できる限りコストを削減したいと考えるでしょう。
業務効率化は、コスト削減に頭を悩ませる中小企業にとって有効な手段です。
例えば、業務を効率化することで残業時間が減らせたら、残業代やオフィスの光熱費などのコストも削減できるのです。
メリット3:コア業務へリソースを集中できる
中小企業は大企業と比較して、使えるリソースが限られています。
そこで自社で不要・無駄な業務や必要・重要な業務を見極め、より大事な業務にリソースを集中させなければなりません。
例えば、単純だけど時間や手間のかかる業務、いわゆる「ノンコア業務」は業務効率化の対象です。
ノンコア業務にかかる時間を削減できれば、営業活動やマーケティング業務など会社の利益に直結するような「コア業務」へリソースを集中させることができます。
メリット4:従業員満足度が向上する
中小企業は大企業よりも雇用人数が少ないことから、従業員1人当たりの業務量が増える傾向があります。
そうすると労働時間が長くなり、残業や休日出勤をする従業員が現れることも少なくないでしょう。
そんな中、中小企業で業務の効率化が進むと長時間労働が改善され、結果、従業員満足度が向上につなげられます。
2022年3月に株式会社L100が行った調査「2023年度卒業の就活生が企業を選ぶ上で最も重視するポイント」の結果によると、企業を選ぶ上で重視するポイントに「働きやすさ」を選んだ人が全体の約4割、「仕事のやりがい」を選んだ人が全体の約2.5割となっているようです。
参照元:PR TIMES|【23卒の就活生の企業選びの軸】1位は「働きやすさ」、しかし「働きやすい企業の探し方が分からない」と答えた就活生は78%と課題あり
近年、就職先を選ぶポイントは企業の規模ではなく、働きやすさ・やりがいが重視されています。
中小企業は従業員の満足度を向上させることで、人材の流出を防ぐことができるでしょう。
業務効率化において重要となるポイント
中小企業が業務効率化を推進することで、得られるメリットが大きいことはおわかりいただけたでしょうか。
無駄な業務を見直し、企業の生産性が向上すれば、従業員の満足度が上がります。
そして従業員のパフォーマンスが上がり、企業の利益につながる好循環が生まれるでしょう。
では、実際に業務効率化を進めるためにはどうすればよいのでしょうか。
具体的な方法の前に、まずは意識しておきたい考え方やポイントをご紹介します。
業務を可視化して課題を明確にする
皆さんの企業では、業務がブラックボックス化していませんか?
業務の効率化を図ろうにも、何がどうなっているのかわからなければ、効率化に着手することはできません。
まずは今ある業務の棚卸しをしましょう。
社内にある業務の全体像をつかむところから始めるのです。
次に業務の精査をして、無駄な業務や無理な業務を明確にします。
業務の担当者に聞き取りをして、ボトルネックや課題がどこにあるかを洗い出しましょう。
業務効率化のコンセプトを社内で共有する
そもそも何を目的として業務を効率化するのか、コンセプトを固めましょう。
そして、決まったコンセプトを社内で共有しましょう。
注意点として、コンセプトの共有は経営陣だけでなく、現場にいる従業員にも共有 してください。
なぜなら、業務の効率化を行う際、効率化された業務で実際に手を動かすのは従業員です。
もしコンセプトが共有されていなければ、「何のためにやっているかわからない」と不安になり、スムーズな業務効率化が難しくなります。
業務効率化を進める範囲と順番を決める
業務を洗い出したら、どの業務から効率化を行うか優先順位を決めましょう。
優先的に効率化を進める業務の絞り込みをすることで、正しく、かつスムーズに業務の見直しが進められます。
例えば、以下のような業務は効率化の優先対象となるでしょう。いわゆる「ルーティン業務」に該当する業務です。
- 単純業務
- 定型業務
- 行う頻度が多い業務
なぜこれらの業務が効率化の優先度が高くなるかというと、「RPA」と呼ばれるITツールが自動化を得意とする業務範囲だからです。
RPAツールに任せられるこれらの業務は、RPAの導入で簡単に効率化が図れるため、ぜひ優先的に効率化を進めるべきだといえます。
効率化を進めるための方法を選択する
中小企業で効率化を進める方法はさまざまあります。
例えば、同じ業務を行っている担当者が複数いれば、それを1人の担当者にまとめることも効率化の方法の1つです。
逆に業務を分割し、担当者を分けることも手です。
業務を分業化すれば、担当者は自分の業務にだけ集中でき、効率が上がることもあるでしょう。
また、マニュアル作成も効率化を進める上で有効です。
中小企業は限られた人数で業務を行うため、属人化が起きやすい傾向があります。
誰でも業務ができるようマニュアルを整備することで、無駄な引き継ぎの手間が減り、効率化が図れるのです。
PDCAサイクルを回す
業務効率化は、一度実行したら終わりではありません。
業務を見直し、効率化の施策を行っても、すぐに効果が見られないかもしれません。
そこですぐ「業務効率化は失敗だ」と判断してはいけません。
PDCAサイクルを回して進めましょう。
業務効率化に対して実施と検証、評価をし、改善を繰り返していくのです。
また、本来業務効率化に向いていない業務もあるかもしれません。
その業務を誤って削減していないかも併せて検証しましょう。
【5選】中小企業における業務効率化の具体的方法
ここまでで、中小企業での業務効率化に重要なポイントはご理解いただけたでしょう。
スムーズに業務効率化を行うためには、業務の洗い出しやコンセプトの決定をし、社内に共有した上で、検証と改善を繰り返すことが重要です。
それでは、具体的にどのような方法を用いれば、スムーズに業務を効率化できるのでしょうか。
ここからは、具体的な業務効率化の方法について5つ紹介します。
1.業務マニュアルの作成・整備
従業員の少ない中小企業で起きがちなのは、業務の属人化です。
属人化した業務の担当者が、突然病気や事故に遭うかもしれません。
また、担当者が退職するかもしれません。誰も代わりがいないと大変ですよね。
そこで、誰でも同じように作業ができるようなマニュアルを作りましょう。
これで特定の担当者に頼らなくてはならない状態を解消できます。
また新入社員が入ってきた時もマニュアルがあれば、教育業務も効率化できます。
2.柔軟な働き方を実現できる制度導入
近年特に、ワーク・ライフ・バランスが重視されています。
また新型コロナウイルスの影響もまだ続いており、就職活動の際、柔軟な働き方ができるかを重視する人も少なくありません。
そこで、フレックス勤務や在宅勤務などを行えるように社内の制度を導入・変更することで、生産性や働きやすさの向上が期待できます。
従業員にとって働きやすい企業であれば、人材の流出も少なくなるでしょう。
人材の流出が少なくなるということは、新たな人材を育成する手間が減ったり、蓄えられたスキルやノウハウを活かして業務を遂行したりと、業務の効率に直結する成果が得られます。
3.適切な人員配置
業務効率化を行うにあたり、適切な人員配置が行われているかを見極めましょう。
なぜなら人間には業務への向き不向きがあるからです。
もし苦手な業務に関わっている社員がいたら、作業効率が上がらないだけでなく、従業員自身のモチベーションが下がります。
せっかくの戦力を活かせずにいることは企業にとってもったいないことです。
そこで、適性を踏まえて適所に配置することが、中小企業にとって限られた人員と時間を大いに活かすポイントとなります。
4.外注(アウトソーシング)の活用
業務は必ずしも社内の人間だけで全て行う必要はありません。
他の企業に外注(アウトソーシング)することも、効率化の1つの手段です。
なぜなら特定の業務をアウトソーシングすれば、自社でしかできない業務にリソースを集中できるからです。
アウトソーシングを行うことでその分の費用がかかるため、二の足を踏んでしまう企業も少なくないでしょう。
ただ、自社の中で手を焼いている業務があるのであれば、思い切ってアウトソーシングしてしまう方がよい結果を得られることも多いです。
費用対効果を検証し、外部への依頼を検討してみましょう。
5.業務効率化につながるITシステム・ツールの導入
最近、中小企業でもよく取り入れられているのが、業務効率化を目的としたITシステムやツール です。
中小企業での導入成功事例をニュース記事で見たこともある方も多いでしょう。
特に「RPA」と呼ばれる、単純作業や定型作業を自動化するツール がよく利用されています。
代表的なRPAツールは以下3つです。
- SynchRoid(ソフトバンク)
- WinActor(NTTグループ)
- UiPath(UiPath)
機械は、人間と異なり、動力源が確保できさえすれば休みなく働いてくれます。
また、インプットしたものをその通りにアウトプットするため、人が起こすような単純ミスを起こしません。
RPAツールを導入すれば、従業員の作業時間を大幅に削減する効果が期待できます。
経営者や従業員が無理をせずに業務効率化を進めるには、自動化ツールの導入がおすすめです。
業務の効率化を進めてヒト・モノ・カネの有効活用を!|中小企業のRPA導入はタクトシステムへ
中小企業が無理なく業務効率化を進めるには、自動化ツールの利用が効果的です。
とはいえ自社で一からツールを導入するのは不安に思われますよね。
まずはRPAの導入サポートに強い会社へ相談してみてはいかがでしょうか。
タクトシステム株式会社では、「伴走型サポート」をコンセプトにしたRPA導入支援サービスを提供しています。
RPAツールの提供はもちろん、RPA活用をサポートします。
「RPAツールを使って業務効率化をしてみたい」と思われた方は、ぜひタクトシステムまでお気軽にご相談ください。
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