RPAを導入したいとお考えの方で、「RPAにはどのような業務が向いているのか」「導入にあたって何から始めたらいいかわからない」と悩みを抱えている方はいませんか?
RPAには、向いている業務とそうでない業務があります。
もし向いていない業務にRPAを導入したらどうなるでしょうか。
せっかくコストや時間をかけたのに、あまり効果が感じられない結果に終わるかもしれません。
この記事では、具体的な事例をもとに「RPAが向いている業務」「RPA化できる業務」を解説します。
導入までの流れもご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
RPAが向いている業務の特徴
RPAは向いている業務を任せることで、我々の業務を効率化してくれます。
それでは、どのような業務が向いているのでしょうか。
定型化されている
RPAは手順が決まっている単純・定型の業務が向いています。
例えば、システムからデータをダウンロードして内容を転記する業務です。
また、決められた手順で行われる請求処理や伝票処理も該当します。
皆さんの周りに、既にマニュアル化されている定型業務はありませんか?
操作手順が決まっている業務はRPA化がしやすいでしょう。
定期的に発生する
大量のデータの処理
大量のデータ処理は、RPAに向いている業務です。
データ量の少ない業務を任せるよりも、多い業務を任せる方が、RPA化の効果を出すことができます。
例えば、人間が手作業で大量のデータ入力を行うと、どこかしらでミスをする可能性が高くなりますが、RPAにはミスがありません。
そのため、ミスのチェックやリカバリーに時間を使う必要がなくなります。
また、手作業よりも圧倒的なスピードで操作を行うことが可能になりますので、業務効率が向上します。
データの収集や加工(スクレイピング)
Webブラウザを使って、検索結果や競合他社の価格データを収集する業務はありませんか?
RPAはWebサイトからのデータの収集や加工作業が得意です。
例えば、特定のサイトでの販売価格を収集し、リストにする業務です。
RPAにデータ収集・加工作業を任せれば、人間はその結果を分析する業務に力を注げます。
RPAにはできない、今後の販売展開や新しいアイデアを生み出す時間が確保できるでしょう。
複数アプリケーションを使った同時処理
RPAは、パソコン上で動く複数のアプリケーションをまたいで行う処理作業も得意です。
例えば、以下の流れで行う業務は、アプリケーションを3つ使います。
- Webブラウザで商品情報を検索する
- 検索結果をExcelに転記する
- メールソフトを使って全国の支店に配信する
これら一連の業務は、操作手順をRPAに記録させて処理できます。
RPA化できる業務の事例
RPAが向いている業務の特徴を踏まえ、業務の分野・部門別に「RPA化できる業務例」をご紹介します。
全部門共通
- データ入力
- 日報作成
- テンプレートのあるメール対応
など
どの部門でも必ず発生するであろう作業がデータ入力です。
他にも、ほぼ毎日発生する定型業務はRPA化できるでしょう。
経理部門
- 社内・社外のシステムを利用した売掛・入金業務、買掛・支払業務
- 経費精算
- 交通費確認業務
- 伝票記入業務
など
定期的に発生し、繰り返し行う業務はRPAに向いています。
チェック作業もRPAはミスなく行うため、ミスを防ぎたいお金の管理に適任です。
人事・総務部門
- 労働時間の管理
- 人事考課管理
など
人事・総務部門は全社員分の事務作業があり、作業量が膨大になりがちです。
データ量が多く、既に決められた手順がある業務はRPA化しやすいでしょう。
また人事考課管理もRPA化できます。
例えば、全社員分の人事考課表を作成してメールで一斉に配信する業務は向いているといえます。
営業部門
- 見積書作成
- 顧客へのメール送信
- 販売状況のリサーチ
など
営業活動の中でも、決まったフォーマットでの業務や、データ収集作業はRPA化できるでしょう。
定型業務への対応時間を削減することで、人間が向いている業務や、他の営業活動に力を注げます。
マーケティング部門
- Webでのリサーチ業務
- 収集したデータを加工してのレポートの作成
- データ解析結果の登録
など
マーケティング部門では、Web上で大量かつ定期的に検索をする業務があるでしょう。
単純な繰り返し業務はRPAに任せられます。
集めたデータからレポートを作成する作業もRPA化することをおすすめします。
その作業をRPAに任せることで、出力したレポートを見て販売傾向を分析するなど、人間が注力すべき業務が行えるでしょう。
コールセンター
- 顧客リストの作成
- データベースへの反映
- 問い合わせ件数の集計作業
など
コールセンターでは、顧客対応や処理業務が既にマニュアル化されているでしょう。
最初から最後まで手順が決まっている業務はRPA向きです。
定型業務を削減できれば、人間だからこそ可能な業務に注力できます。
また、24時間365日稼働できるRPAの強みを活かし、夜間や休日にメールでの自動返信を行わせることも可能です。
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RPAに向いていない業務の特徴
人間が行っていた業務を担ってくれるRPAですが、そのRPAにも向いていない業務があります。
向いていない業務を知れば、導入がしやすくなるでしょう。
パソコンなどのデバイス上で完結しない
RPAは、パソコン上で一連の業務が完結する場合、その業務を自動化できます。
ホワイトカラーの業務は対応できますが、パソコンのみで完結しないブルーカラー業務には対応できません。
ルールやシステムの仕様が頻繁に変わる
RPAはルールが決められている業務が得意です。
しかしルールがよく変わる業務では、変更の都度RPAの修正が必要であり、逆に手間がかかってしまう可能性があります。
また、システムの仕様が頻繁に変わる場合も向いていません。
せっかく業務の効率化をしても修正に時間がかかっては意味がありません。
ヒトによる判断が都度求められる
人間が分析や判断をしなければならない業務は、基本的にRPAにはできません。
例えば、手書きの文字をOCR(文字認識のツール)で読み込み、文字の正誤を判断することです。
例外が発生しやすい
RPAはルールが決められている業務は得意です。
しかし頻繁に例外が発生する業務は苦手です。
AIのように状況を自身で判断できないためです。
RPAに例外処理を組み込むことは不可能ではありませんが、全ての例外に対応することは大変困難です。
複雑な処理が必要
複雑な分岐がある業務や、ルールの多すぎる業務はRPAに不向きです。
なぜなら、分岐やルールが複雑だと、RPAの作成やメンテナンスの難度が高くなるためです。
まずは業務そのものを見直し、できる限りシンプルにしてからRPA化しましょう。
RPA化におけるポイント
では、社内でのRPA化を成功させるためには、どのようなポイントや注意点に気をつければよいのでしょうか。
導入の目的を明確にする
RPAのツールによって、機能は大きく異なります。
そこで、まずは「何の業務をRPA化するのか」の目的を明確に決めましょう。
それからツールの選定をすることが重要です。
業務の洗い出しは必須
RPAには得意・不得意があります。よって、「RPAを導入すること」を目的にすると失敗しかねません。
まずは業務の洗い出しをしましょう。
その中で自動化に向いている業務を見つけます。
そしてRPA化するための優先度をつけることが大切です。
運用ルールや体制を整える
RPA導入にあたっては、管理を行う担当者を決めましょう。
情報システム部門なのか、ユーザー部門なのかなど、管理体制をあらかじめ決めておくことが重要です。
そして、運用ルールの整備も大事なことです。
担当者決めやルール整備の際、業務が属人化しないようにしましょう。
もし属人化していたら、担当者が異動や退職をしてしまった際、引き継ぎに手間がかかったり、以前と同じように運用できなくなったりする恐れがあります。
RPAを活用できる人材を育てる
RPAを最大限活用するためには、開発・運用を行える人材を育てることが必要です。
多少ITスキルがある人材がいれば、RPA管理に向いている人かもしれません。
とはいえ人材の確保が難しい場合もあるでしょう。
そこでRPAを導入・支援するベンダーの力を借りるのもよいですね。
RPA化の流れ
最後に、RPAを実際に導入する際の具体的な流れを説明します。
RPA化成功のためには、事前の入念な準備が欠かせません。
「せっかく導入したのに効果的に使えていない」ということが起きないよう、踏むべき流れをきちんと踏んで導入を進めましょう。
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1.現在の業務の整理・洗い出し
まずは、自分たちが日常的に行う業務を洗い出します。洗い出すものは、主に定型業務・単純業務が対象です。
業務の流れや目的などの情報も書き出しましょう。
2.RPA化できる業務の選定
洗い出した業務の中から、RPAに任せられそうな業務を選びます。
RPAを導入できる業務は「パソコンで行うもの」であり、特に作業手順が決まっている業務が向いています。
例えば、請求書の処理業務。請求書の処理は、データの入力や確認、送信など、定型的な手順が多く含まれています。
このような業務はRPA化に適しているといえます。
RPA化できる業務を選定する際には、手作業が多い繰り返し業務(≒人件費がかかっている業務)を優先的に見直すことがポイントです。
3.RPAの優先度が高い対象業務・範囲の検討
RPA化できそうな業務の中から、導入の効果が出やすい業務に優先順位をつけます。
効果が出やすいとされる業務の例は以下です。
- 単純な繰り返しのもの
- 膨大なデータを処理するもの
- 一連の手順が決まってもの
- 普段の業務の中でも、かけている時間がより大きいもの
工程が複雑な業務は、RPA化する範囲を決めましょう。
4.導入するRPAツールの選定
RPAツールには、サーバー型、デスクトップ型、クラウド型の3種類があります。
それぞれの特性を理解し、適切なツールを選定することが重要です。
例えば、扱うデータのセキュリティレベルによって、自社内に機器を設置するサーバー型やデスクトップ型を選ぶか、自社外の機器を利用するクラウド型を選ぶかを検討する必要があります。
また、ライセンスの種類にも違いがあります。
複数の端末で利用できる「フローティング」型と、インストールした特定の端末のみで利用する「ノードロック」型があります。
これらのライセンス形態も、企業の利用状況や予算に応じて選ぶことが求められます。
さらに、RPAはソフトウェアであるため、製品ごとにできること・できないことが存在します。
例えば、あるRPAツールは特定の業務プロセスに非常に適している一方で、別のプロセスには向かない場合があります。
そのため、導入を検討する際には、選定した業務プロセスに対して、どのRPAツールが最適かを比較検討しましょう。
5.試験導入を行う
いきなり本格的な導入を行うのではなく、まず試験的に導入しましょう。
RPAツールによっては無料のライセンスや試用期間があるため、試験導入はしやすいです。
試験導入する際には、導入する部門を限定します。
もし全社に導入すると、問題の解決が難しくなるためです。
6.試験導入の評価をする
RPAを試験導入したら、必ず評価をします。
例えば、以下のポイントを見ます。
- ユーザーがスムーズにRPAロボットを作れるか
- RPA化して目に見える効果があるか
- RPAの運用やバックアップリカバリーがしやすいか
この際、良かった点だけでなく、問題点も洗い出しましょう。
そして、その問題を解決できるのか検討します。
7.本格導入を行う
本格導入した後は、社内でRPAが定着するようにしましょう。
また、評価も続けましょう。
「導入したら終わり」ではなく、継続的に使われることが重要です。
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RPAは、しっかり事前準備して向いている業務を任せれば、我々が行っている業務を各段に効率化してくれます。
場合によっては、絶大な費用対効果が得られるかもしれません。
しかし、上手く導入できるか、導入した後も上手く運用できるかが心配ですよね。
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