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RPAとシステムの連携|連携可能なシステムの種類と成功のポイント

RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)は、業務効率化ツールとして注目されています。

RPAは業務を自動化することができますが、企業全体の業務プロセスを最適化するには、業務の中で使用されている既存のシステムやツールと連携し、自動化の流れをスムーズにする必要があります。

この記事では、RPAがどのように他のシステムと連携できるのか、その種類や成功のためのポイントを詳しく解説します。

RPAと連携可能な具体的なシステム例を挙げながら、導入のメリットや注意点についても触れていきます。

 

RPAとシステムの連携とは

RPAとシステムの連携_画像1業務において、現在なんらかのシステムを利用している企業がほとんどであり、RPAとシステムの連携は業務の自動化を行う上では欠かせません。

具体的には、ERPやCRM、データベースなどの既存システムとRPAを連携し、自動化の流れをスムーズにすることを指します。

 

なお、よく混同されるRPAとAPIの連携。

どちらもシステム間のデータのやり取りを効率化する手法ですが、そのアプローチには違いがあります。

 

API連携は、システム間で直接的にデータを交換するためのプログラムインターフェースを使用します。

これにより、リアルタイムでのデータ交換が可能となり、正確で迅速なデータ処理が実現します。

 

一方、RPAによる連携は、人間がコンピュータを操作するのと同様の手順を自動で実行することによって、システム間のデータのやり取りを行います。

これは、APIが存在しない古いシステムや、APIの開発が困難な環境でも利用できるという利点があります。

また、RPAは既存のユーザーインターフェースを活用して自動化を行うため、システムの改修が不要で、迅速な導入が可能です。

 

RPAとシステムを連携させるメリット

RPAとシステムの連携_画像2RPAをシステムと連携させることには多くのメリットがあります。

まず、人の手を介さないデータの一元管理が可能になるため、情報の正確性が保たれ、エラーの発生を抑えることができます。

これにより、ユーザーはより正確なデータに基づいた分析や報告を、素早く行うことができるようになります。

さらに、RPAと他システムの連携により一連の業務の自動化も可能で、業務プロセスのスピードアップを実現します。

これまで行っていた業務が自動化され、従業員はより付加価値の高い業務に集中できるようになります。

部門全体の生産性も向上し、企業全体の競争力が高められます。

 

RPA連携できるシステム

ここからは、RPAと連携が可能なシステムの具体例を挙げ、それぞれの特徴や利点について詳しく解説します。

 

ERPシステム

ERP(エンタープライズリソースプランニング)システムは、企業の資源を一元管理するための重要なツールです。

ERPをRPAと連携させることで、データの入力や更新作業を自動化し、人的ミスを削減することができます。

SAP S/4HANAやOracle ERP Cloud、Microsoft Dynamics 365などが、ERPの代表的なシステムとして挙げられます。

例えば、SAP S/4HANAを活用して販売データを即座に分析し、需要予測を行うことで、迅速な在庫の最適化などが可能になります。

また、RPAを活用した素早いデータ更新で、業務の効率化だけでなく、経営判断の迅速化にも寄与します。

 

CRMシステム

CRM(カスタマーリレーションシップマネジメント)システムは、顧客情報の管理を行うためのシステムです。

具体的なCRMツールとしては、Salesforce、HubSpot、Zoho CRMなどがあります。

これらのシステムをRPAを活用して連携することで、顧客データの入力や更新を自動化し、営業活動の効率を向上させることができます。

また、RPAによるCRMシステムとの連携は、マーケティングキャンペーンの自動化にも役立ちます。

例えば、顧客の購買履歴を基にしたターゲティングメールの送信を自動化することで、よりタイムリーなマーケティング活動が可能になり、顧客満足度の向上と売上の増加も期待できます。

 

データベース

企業内のあらゆる情報を集約する役割を担うデータベースとの連携は、RPAの導入において非常に重要です。

例えば、Microsoft SQL ServerやOracle Database、MySQLなどのデータベースソフトとRPAを連携することで、データ入力や抽出作業が自動化され、効率的なデータ管理が可能になります。

さらに、複数のシステム間でのデータ統合が容易になり、データ分析の迅速化や、正確なレポート作成において大きな効果を発揮します。

 

電子メールシステム

RPAと電子メールシステムの連携は、日常業務の効率化に大きく寄与します。

例えば、Microsoft OutlookやGmailと連携することで、メールの送受信やフォルダ分け、返信の自動化など、日常において何度も発生する作業をRPAで処理することにより、作業時間が大きく圧縮されます。

また、メール内容をSalesforceやSAPのようなシステムやデータベースに登録するのをRPA化することで、漏れがない情報の一元管理が実現します。

 

 

Webアプリケーション

RPAとWebアプリケーションとの連携は、オンライン業務の自動化において重要な役割を果たします。

RPAを用いることで、Webフォームへのデータ入力や、情報の収集・整理を自動化し、作業時間を短縮できます。

例えば、Google SheetsやTrello、Slackなどのアプリケーションと連携することで、データ入力やデータ出力、タスクの管理、コミュニケーションの自動化が可能となり、業務効率が大幅に向上します。

特に、顧客からの問い合わせ対応やオンライン注文の処理など、スピードが求められる業務においては、その正確性と処理スピードで業務効率化に大きく貢献します。

 

会計ソフトウェア

会計ソフトウェアとの連携は、経理業務の効率化に直結します。

例えば、freeeや弥生会計などの会計ソフトとRPAを連携することで、請求書の発行や経費精算、帳簿の記帳作業を自動化し、作業負担の軽減や手作業による入力ミスを防ぎ、データを正確かつ迅速に処理することができます。

経営陣への報告や、戦略的な財務分析においても、信頼性の高いデータに基づいた意思決定が行えるようになります。

 

AI-OCRツール

AI-OCR(Optical Character Recognition)は、紙の書類や画像データから文字情報を読み取り、デジタルデータとして活用する技術です。

具体的なAI-OCRツールとしては、ABBYY FineReaderやGoogle Cloud Vision OCRなどが挙げられます。

これらのツールをRPAと連携させることで、手作業で行っていたデータ入力や情報抽出を自動化し、業務効率を大幅に向上させることが可能です。

例えば、請求書や領収書、契約書などの紙ベースの書類をスキャンし、AI-OCRを活用して必要なデータを抽出します。

その後、RPAがそのデータをERPや会計ソフトウェアに入力することで、経理業務を効率化できます。

手書き文字の認識にも対応しているAI-OCRを活用することで、手書きの書類が多い業務でも効果を発揮します。

AI-OCRとRPAの連携は、紙ベースの業務を効率化し、デジタル化を推進するための強力なツールとなります。

 

生成AI

生成AIは、自然言語処理や画像生成などの分野で革新的な成果を上げており、RPAとの連携においてもその力を発揮しています。

これまで、データ取得元のフォーマットがバラバラなものはRPAでの読み込みが難しく、その作業は手動となることが多くありました。

しかし、生成AIを活用する方法では、生成AIに一度データを読み込ませ、必要な情報を決まった形で出力させることで、RPAのフローに組み込むことが簡単にできるようになりました。

例えば、各社違ったフォーマットを持つ請求書などは、請求書を生成AIが読み込み、必要な情報だけを抽出することで、一連の作業を自動化できるようになりました。

生成AIとRPAの組み合わせは、非定型なものに対してのアプローチが簡単になったという点で、業務効率化の幅を大きく広げました。

 

 

RPA連携成功のポイント

RPAとシステムの連携_画像3

RPAの導入による業務効率化を実現するためには、システム間の連携が重要な鍵となります。

下記のポイントを押さえることで、RPAの効果を最大限に引き出し、業務プロセスの最適化を図ることができます。

 

自社業務システムとRPAの相性の確認

RPAを効果的に活用するためには、まず自社の業務システムとRPAの相性を確認することが重要です。

RPAよっては、業務システムとの連携がスムーズに行えない場合もあります。

そのため、自動化のメインとなる自社のシステムを事前に調査し、それに合う適切なRPAツールを選定することが求められます。

相性を確認する際には、RPAツールの特徴や自動化の方法、データ形式の互換性などをチェックすることが重要です。

RPAとシステムの連携がエラーなくスムーズに行えれば、業務効率化を一気に加速させることが可能です。

 

連携に悩んだら外部サポートの利用も有効

RPAと既存システムの連携に悩んだ場合、外部の専門家のサポートを利用することも一つの手段です。

特に、複雑なシステム環境や専門的な技術が必要な場合には、外部の専門家のアドバイスを受けることで、自社に最適な連携方法を見つけ出し、スムーズな連携を実現できます。

また、難易度が高いRPA開発なども外部サポートをうまく活用することで、社内スタッフが他の重要な業務に集中することが可能になります。

外部サポートを利用する際には、過去の実績や専門知識を持つ、信頼できるパートナーを選ぶことが重要です。

 

RPAとシステムをうまく連携させ、RPA導入の効果を最大化しつつ、業務プロセスの最適化を実現しましょう。

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タクトシステムRPAチーム

タクトシステムのRPA導入・開発・運用サポートや生成AIの運用を行うチームです。 RPAや生成AIに関する基本から活用の応用編まで、役に立つ情報を分かりやすく発信します。

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