Webに特化したマーケティングが企業戦略として重要になっています。
それはインターネットが広く普及しWebサイトやSNSなどの利用者が増加したからです。
Webマーケターは、Webに関する知識を持ち合わせ、プロダクトやサービスをどのように売上につなげるか企画立案し、データ分析と改善をおこなうため幅広い知識とスキルが必要な職種です。
ここでは、Webマーケターの仕事内容やスキルなどを詳しく紹介します。
個人でWebマーケターを目指している方以外にも、企業としてWebマーケターの育成を検討している方に参考にしていただけます。
目次
Webマーケターとは?
職種名 | Webマーケター |
平均年収 | およそ500万円 |
概要 | 企業のプロダクトやサービスをWebの仕組みを活用してユーザーに周知し売上向上を図り、データを分析しながら改善していく。 |
活かせる資格 | ウェブ解析士認定、Webアナリスト検定 |
Webマーケターは、Webを中心にデジタルツールを駆使してマーケティング活動を行う職種です。
テレビや雑誌といったメディア媒体やイベントなどでのマーケティングが主流でしたが、インターネットが普及しユーザーの多くがWeb媒体から情報収集を図っているため、WebやSNSなどデジタルを通してのマーケティングにシフトしています。
Webマーケターには、基本的なマーケティングに必要なスキルに加え、WebやSNSの知識も必要です。
Webマーケターの年収は、業界や年齢によって変動しますが、平均すると500万円前後です。
日本の平均年収が400万円代ですので年収は高い傾向です。業務の内容や適正スキルなどを考えると当然のことといえます。
Webマーケターの仕事内容や具体的な施策
Webマーケターの仕事内容は多岐に渡ります。
まずは集客に繋がるよう具体的な企画立案をすることと、運用してからのデータ分析と改善策を練ることの大きく2つあります。
それぞれ詳しく見ていきます。
Webコンテンツの企画立案をして集客につなげる具体的な施策
Webマーケターの仕事内容は、まず集客に繋がるよう具体的な企画立案をすることです。
具体的な施策は次の4つが基本です。
SEO対策
SEO対策は、「Search Engine Optimization」の略で、日本語では「検索エンジン最適化」と訳されるWebマーケティング手法のひとつです。
キーワードの検索結果の上位に自社のサイトが表示されると、ユーザーの目に留まりやすくアクセス数が増えます。
自社サイトへのアクセス数を増やすことで、ECサイトであれば商品の購入、メディアサイトであれば広告掲載料などの増加が期待できます。
そのためには検索エンジンの仕組みを理解する必要があります。
Webサイトを巡回しているクローラーがサイト情報をキャッチし、さまざまな要素からWebサイトの評価をおこないます。
ユーザーがキーワードを検索すると、クローラーによってキャッチした情報から、最適な情報が検索結果として反映される仕組みです。
クローラーに情報をキャッチしてもらうためには、Googleアルゴリズムのチェック項目の基準を満たしていることが必要です。
そして上位に表示されるようになるには、Webサイトの内容がユーザーにとって有益な情報であり、正確で専門性が高いことが推奨されています。
サイトの上位に表示させ、ユーザーと接点をつくるための対策がSEO対策です。
Web広告の運用
Web広告とは、デジタル媒体での広告の総称で、リスティング広告やディスプレイ広告が代表例です。
リスティング広告とは、ユーザーが検索した際のキーワードに関連して、検索結果に表示される広告のことです。
ユーザーに具体的な内容を伝え、売上効果を目的としています。
リスティング広告の仕組みとしては、代表的なGoogleやYahooなどへ、広告の申し込みとキーワードや入札額の登録をおこないます。
同じキーワードで出稿している競合他社がいるため、競り合った結果の順位で表示される仕組みです。
順位は入札額が高いかで決まるわけではなく、広告の内容も重視されます。
リスティング広告料はユーザーがクリックしたときに発生するクリック課金制です。
クリックされなければコストはかからず、興味のあるユーザーを呼び寄せることができます。
自然に上位に表示されたものよりもさらに上に表示されるため、SEO対策よりも即効性がありますが、広告費の支払いを継続しなければならない点はデメリットになります。
対してディスプレイ広告は、GoogleやYahooなどのサイトに広告が表示され、バナー広告ともよばれます。
画像や動画をメインとした広告で企業の認知拡大やブランディングを目的としています。
キーワードを検索して表示されるリスティング広告とは異なり、広く認知が期待できるところがメリットです。
広告費は、リスティング広告と同じくクリック課金制、または広告の表示回数によって広告費が変わる料金体系のどちらかを選べます。
SNSの運営
ユーザーの情報収集はInstagramやTwitterなどのSNSがメインになっているため、WebマーケティングではSNSも押さえておかなければならないツールといってよいでしょう。
自社のアカウントを開設しSNSを運営してプロダクトやサービスの紹介、イベント告知をおこないます。
SNSを活用するうえでの最大の効果は拡散力にあります。
各SNSの機能である「シェア」や「リツイート」などで利用者間に拡散されるのです。
とくに年齢層や同じ嗜好をもった人とのつながりがあるため、フォロワーがシェアやリツイートを行うと反響につながりやすいです。
ランディングページの最適化
ランディングページとは、「Landing Page=はじめに着地するページ」のことです。
リスティング広告やディスプレイ広告を経由したユーザーが最初に閲覧するページを指します。
自然検索でアクセスされた場合にはWebサイトのトップページ、広告経由でアクセスされた場合にはランディングページが表示されると望ましいです。
ランディングページは、ユーザーが求めている情報を1ページにまとめ、スクロールするだけで流れるように情報収集できるようなデザインが特徴です。
Webサイト内で商品ページや問い合わせページへ遷移する必要がないので、離脱を少なくし購入や問い合わせなどに促せる効果が高いです。
目を引くデザインにする、キャッチーな文章、わかりやすいクリックボタンなどの工夫を施す必要があります。
データの解析と改善施策の立案をする
Webマーケターは企画立案・運用・データ分析・改善といった一連の工程を行うことも必要です。
まさにPDCA(Plan=計画、Do=実行、Check=評価、 Action=改善)を回しながら業務を進行していきます。
企画立案した施策の結果をもとに、データの収集をおこないます。
例えば想定していたターゲット層とは異なる、アクセス数の多い時間帯、などユーザーの行動を読み取り、売上につなげるために細かく解析します。
目標とは異なる結果だった場合には、どのような要因がありどのような修正が必要か対策を練ります。
広告費にかけるコストやSEO対策にかかるコスト、あらゆる面での費用対効果も考慮しなければなりません。
WebマーケターとWebディレクターの違いとは?
WebマーケターとWebディレクターは混同されますが、業務の特性や範囲が異なります。
WebマーケターがWebの知識を活かして企画立案から運用改善に携わり、Webディレクターは制作部門においてWebサイトの構築といったクリエイティブな業務を指揮します。
デザインを担当するWebデザイナーやサイト構築のWebプログラマーなどに指示をだし進行管理を行います。
会社の規模によっては、Webマーケターと兼任する場合もあります。
Webマーケターに必要なスキル
Webマーケターに必要とされるスキルは多くあります。
自社内のWebマーケターは、企画の段階から運用までの一連の流れで担当できるよう幅広いスキルを必要とし、クライアント先でのワークがメインのWebマーケターであれば、業務の一部を担うことが多いため専門性が求められます。
基本的なデジタル・ITスキル
基本的なWebやSNS、検索エンジンなどの特性を理解しておくことが必要です。
知識の深さよりも新しいトレンドをキャッチできるかも大切です。
Webの世界は次々に新しいものが誕生するため、情報は日々アップデートされていきます。
高いアンテナを持っている必要があります。
データ分析力・情報解析力
ユーザーの行動は数値で確認できます。
Webサイトのアクセス数や滞在時間などのデータから、施策を改善する能力が問われます。
目標値に達したかどうかという単純なことではなく、データが意味していることを深く理解し、統計学の知識も兼ね備えてなければいけません。
企画立案力
プロダクトやサービスのターゲットを設定しどのように売り出すのかといった企画力が問われます。
これはWebマーケターに限らず、マーケティング全般に必要なスキルといえます。
論理的思考力・仮説思考力
企画立案と運用を行い、データを分析したのちに、改善するための仮説をたてます。
複数あるWebツールから最適な発信方法を探るためには、道筋をつくる必要があるからです。
自身の好き嫌いではなく、客観的な立場から考察してWeb広告はなにが適切か、SNSはどれを用いるかなどを判断します。
Webマーケターの判断や思考によって、経営層の指針に大きく影響することもあります。
ウェブサイト構築スキル
Webサイトは一つをつくりあげるのに、HTMLなどの言語、WordPressといったCMS、画像やイラストを編集するソフト、SEOに強いライティングなどさまざまな要素によって構築されています。
構築するための指揮を担うのはWebディレクターですが、必要最低限の知識を持っていると仕事がスムーズになります。
コミュニケーションスキル
Webマーケターがたてた施策案を実行してもらうためには、WebサイトのSEO対策や広告作成、データの解析などそれぞれの担当者に進行してもらうため、打ち合わせなども多数あります。
また経営層の承認が必要な場合には、企画立案などのプレゼンテーションを行う機会も多いです。
多方面でさまざまな職種との関わりが強いため、円滑に業務が進められるようコミュニケーションスキルが必要です。
Webマーケターに活かせる資格
Webマーケターに活かせる資格はたくさんあります。
各種オンライン講座や定期的な検定試験が行われています。
ウェブ解析士認定
ウェブのデータを正しく読み取り判断する解析スキルを身につけて取得する資格です。
一般社団法人ウェブ解析士協会が運営しており、ウェブ解析士、上級ウェブ解析士、ウェブ解析士マスターと階級が設けられています。
Webアナリスト検定
Googleが提供するGoogle Analyticsという無料のアクセス解析ツールについて学び、分析の方法やその手順などを習得します。
5時間の受講時間で試験時間は80分、70問中各項目を40%以上、トータル75%以上の回答率が合格基準です。
日本Web協会が運営している資格です。
ネットマーケティング検定
ネットマーケティングを体系的に学び、網羅性の高い知識を習得します。
ネットマーケティングの理解を深めた人材の育成が目的とされています。
試験時間は80分で、基本問題30問・事例問題10問、70%以上の回答率が合格基準です。
株式会社サーティファイが運営している検定です。
Internet marketing analyst(IMA)検定
サイト分析とリスティング広告の実践運用を習得できるスタンダードコースと、スタンダードコースを取得したのち、ターゲット別の集客プランの企画力や、2種の施策運用をテスト比較する手法などが習得できるプロフェッショナルコースがあります。
クラウドマネージメント協会が運営している検定です。
Internet marketing analyst検定のホームページはこちら
Googleアナリティクス個人認定資格
Googleが提供するGoogle Analyticsの理解度を図る検定です。
Googleアカウントを持っていれば、だれでもGoogleの専用ページから学習できます。
Googleアナリティクス個人認定資格のホームページはこちら
マーケティング・ビジネス実務検定
Webマーケティングに限らずマーケティング全般の知識を習得する検定です。
検定は3つのレベルに分かれており、C級・B級・A級とレベルアップしていきます。
A級に合格すると「IMSSA認定マーケティング実務士」に認定されます。国際実務マーケティング協会が運営している検定です。
SEO検定
SEOの基礎(4級)、キーワード検索と内部要因最適化(3級)、コンテンツSEOと外部要因最適化(2級)、ソーシャルSEOモバイルSEO(1級)が習得できます。一般社団法人全日本SEO協会が運営している試験です。
Webマーケターの職には活かせる資格が多数あります。
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企業としてWebマーケターの育成を検討されている場合にも、学習方法として導入をおすすめしています。
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まとめ
Webマーケターは必要なスキルも多く能力的に高い人材が担う職種です。
企業でもWebマーケティングの需要が高まってきているため、即戦力となるスキル保有者は高待遇となります。
幅広い知識を持ち合わせ、企画立案や改善といった取り組みを行えるような人材がいない場合には、社内での人材育成も必要です。
外部の研修プログラムを用いて社員を育成する方法も検討してみてもよいでしょう。
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